~紫陽花~

2024年06月10日

 

梅雨時に、アジサイの玉のような花と大きな葉が雨に濡れた情景は、誰の記憶にも残っていますよね。

日本中どこにも見られ、関東では5月末から6月の梅雨にかけて開花するアジサイ。

万葉集にも歌われるほど、雨とのセットでさまざまなシーンで描写されてきた、この季節を代表するとてもポピュラーな植物です。

 

私たちが街で最もよく見かける植えられたアジサイ(ホンアジサイ)は丸い形をしていますが、厳密には、「花」は丸い形の真ん中に小さく開花し、丸いシルエットの「花序」の大半の部分は、萼(ガク)が花弁状に大きく発達した「装飾花」です。

この丸みを帯びた形状を「手まり咲き」と呼び、 ガクアジサイの「ガク咲き」や、ノリウツギなどの「ピラミッド咲き」と区別されています。

 

日本原産のヤマユリが欧州に持ち帰られてオリエンタル百合が生まれたのと同じように、アジサイもドイツ人医師シーボルトなどが手まり咲きのホンアジサイを持ち帰って品種改良が盛んに行われ、多様な品種を持つ「西洋アジサイ」として日本に逆輸入されています。

野生のホンアジサイは発見されておらず、現在でも関東を中心に山野に自生しているガクアジサイ(ガク咲き)が手まり咲きのホンアジサイの原種と考えられていますが、ホンアジサイはシーボルトが欧州に持ち帰った18世紀後半に既に国内に園芸種として広まっており、どのタイミングで原種のガクアジサイから園芸種のホンアジサイに変化したかは不明です。

 

土壌の酸性度によって花色が変わるアジサイ

アジサイは酸性の土では青みが強くなり、アルカリ性の土では赤みが強くなることが知られています。土壌が酸性だと、土中のアルミニウムが溶け出し、花に多くアルミニウムが含まれるため青色の花となるようです。

なお、アジサイは「集真藍(あづさあい)」=「藍色が集まる」が名称の由来とされていて、植物の名称が決まった頃、国内には青のアジサイしか(ほぼ)無かったことが推定されます。 私たちが街で見かける、植えられているアジサイも、ほとんどが青色をしているはずです。その理由は、日本の土壌のほとんどが酸性であるからです。実際にヨーロッパに行って見たことはありませんが、土壌がアルカリ性のヨーロッパのアジサイは赤色が多いそうです。

紫陽花2

紫陽花